家族とは……

 

書き出しが難しい。

 

どのテーマにしてもここの部分が一番に悩む。

 

「家族」について、ほぼ毎日のように色々考える。もしかしたらこのことを考える時間に私の時間はほとんど費やされているのかもしれない。

 

我が家は父、母、私、4歳下の妹と愛犬の5人家族で、家族構成として複雑なところはない、よく見られる核家族だ。

家族の関係は普通だと思う。虐待などは一切受けたことないし、大きな災難に襲われたこともない。

 

だけどなんとなくこの場所にいることに違和感がある。家を落ち着ける場所だとあまり思えない。強いて言うなら自分の部屋が一番落ち着くが、隣の部屋と扉で仕切られてるため、話し声や音が丸聞こえだ。そういう間取りの家も多いと思う。

唯一幸いなのは、クローゼットや布団などが私の部屋においてあるとは言えど、「私」個人の部屋があることだと思う。

 

私は妹とすこぶる仲が悪い。父親とも仲が悪い。

しかし、気に入らないことがあっても突っかからないし、相手に直接怒ったりしない。

もう、相手に対して無関心だ。

「喧嘩するほど仲がいい」とはよく言ったもので、本当にその通りだと思う。相手が気になるから突っかかるし、怒る。もはやその気にもならない。

普段友達の前ではかなりよくしゃべるほうだと思うが、家だと完全に虚無である。

 

妹のことはもう嫌い過ぎてもはや会話も交わさないが、普通→喧嘩→無関心とちゃんと順路をたどって無関心に至ったわけで、喧嘩をした時期もあった。(小学生)もう今は妹のことをほとんど知らない。名前、生年月日、通っている高校、知りたくはなかったが趣味くらいならわかる。

 

なんでこんなに妹と仲が悪いのか。それは私と妹が真逆なタイプの人間だからだと思う。

私の妹はとにかくだらしがない。いや、私も人のことを言えたものではないが。物をよくなくすのはまあ私と同じなので何も言えないが、共有スペースに自分のものを散らかしたまま出かけていったり、ヘアアイロンを使ったまま床に放置したり自分のものではなくとも落ちたごみを拾わずそのまま放置したり、まあとにかく自分のことではもちろん、周囲に対してもだらしがないのである、いくら母親に言われても直らない。もういうだけ無駄だ。

モノの管理という点でだらしないのは先に述べたとおりであるが、お金の管理に対してもまあだらしない。

今から書くのはさっき出来立てホヤホヤのエピソードなのだが、妹は今高校三年生で、受験をしなかったので本当に勉強もせず、ダラダラと部屋を散らかしながら毎日を過ごす。唯一妹の褒められる点は3年間アルバイトをバックレたりせずやりぬいたことだけで、つまり、自分でそれなりにお金を稼いでいる。今日から友達と泊りでディズニーランドに行くらしい。すごいな、私は高校生の時、単純にお金なくて卒業旅行でディズニー泊りで行こ!とかならなかったな。ていうかこの3日前くらいに富士急にも行ってたし、ちゃんと貯めてやりくりしてるんだ。韓国人アイドルグループが大好きでしょっちゅううちには妹あてのメルカリが届き、ライブにもよく行ってる。

 

いやいくらバイトしててもそんなお金あるんか…?

 

予想的中である。今朝になって「お金がない」と親にせびりだした。

朝からキレる母親、完全に自分が悪いのに言い返す妹、自分の部屋で何かをお笑いを見て爆笑する父親の声、散歩に行きたくてしょうがない犬、相変わらずブサイクな私。

2月25日午前の我が家は大カオス状態である。

妹が悪いと思った。私も知ってる。うちには遊びに個人の遊びに費やせるような余裕はあまりない。両親はもう54になるが老後2000万、二人で4000万なんて貯められそうにもない。お金の不安は尽きない。これがリアルだから。(出川哲郎

 

色々妹の悪口を書いてきたが、私と妹の一番の違いは「家族」という概念のとらえ方だ。私は家族に対して今持っている考えた方にたどり着いたのは大学生になって、いまやっているバイトを始めてからだ。

 

「家族」って特別な集団だ。その場所にいると自分という「個人」が半分消える感じがする。

今私は卍足立卍の沖縄料理屋でバイトをしているが、そこで大人と話す機会が増えた。

もちろん、お酒を飲みに来てくれたお客様と話す機会が増えたというのもそうだが、なんだかんだで一番店長と話した。普段店長の悪口を言うことも多いが(コラ)、店長の話を聞くと、色々考えさせられることが多かった。

店長は、店長という役職の割に36歳と若い。(と、思う。飲食店なら普通なのかな?)

暇な日に店長と二人でキッチンにいると色々な話を聞かせてくれる。

細かいことまでは覚えていないが、大学時代の話、家族の話、奥さんの話、店の経営の話、昔の変なお客さんの話、前職の話、店のアルバイトの子たちの話(いいところや、不満など)…。店長は何も覚えてないかもしれないけど、普段ふざけている感じの店長がこう考えてるんだな、ということが分かったし、たくさん興味深い話を聞いたなと思う。まあたまに「それは違うだろーーーーー!!!!」(豊田真由子)になることもあるが。

身近な大人の話をそういう風にたくさん聞いて考えたのは、家庭と仕事の両立についてだ。

店長と奥さんの間には子供がいない。居酒屋の経営だと子育てが難しいという理由もあるだろう。そこまでは詳しく聞いていないが。普通に会話してて自分が仕事の時は奥さんが家事をやってるが、自分が休みの日は奥さんが変えるのに合わせて食事を用意してる、という話を普通にするのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マジで言ってる?相手に気使って自分の休みの日はご飯用意するのマジ?男なのに?しかもめちゃくちゃ普通に言うじゃん。思考に爆発が起きた。

 

でも確かに考えてみれば当たり前のことで、ひとりがすべてをやる必要はない。そりゃそうだ。家族だから同じ家に住んでいるんだもの。誰かがやっておけば、なんでもそれで済む話なのだ。たしかに、おかしいのは何でも母親にやらせる我が家だ。

 

父、妹、だけでなく私もそのころまで家事を手伝うことはほとんどといっていいほどなかった。言い訳をすると授業やバイトが忙しくできなかった、というのもあったが、多分一日中家にいたとしてもやらなかっただろう。そして母が全てやっていた。母は何も怒らなかった。

しかしさ、母親に「家事やってよ!」って言われても私絶対やらなかったと思うんだよね。「家事の分担」ってものすごい簡単な熟語の組み合わせで、どちらも生活しててよく使う言葉なのに、なぜその中身に全く関心を持たなかったのか、そして実践しなかったのか。

「家事を分担すれば誰かが楽になる」って気がつけたのは店長の本当に何気ない、そんな話だ。その時ちょうど店長が腰とか痛めてて辛そうだったのも相乗効果になったと思う。辛くても誰かがやれば普通に生活ができるんだ。他人の言葉で気がつかされた。

 

そういう話を聞いてから私も少しは家事に参加するようになった。少しは母親の負担が減ったと思う。飯づくりのスキルも上がったと思う。殿方の胃袋をつかむ準備はバッチリである(喪女)。

 

「家族」って「気を置ける場所」であるのはいいことだが、「気を使わない場所」ではない。血はつながっているが、みんな「個人」なのだ。学校でも会社でも、他人と過ごす場所で節度を保つことは常識だ。なんで「家庭」になるとそれができなくなるんだろう?きっと距離が近すぎるからだ。

 

妹は「家」という場所を勘違いしている。「気を使わない場所」だと思ってる。

だから私とソリが合わない。見ていてイライラするし、消えてほしいとさえ思う。

だけど私は妹に何も言えない。

 

先に生きる者と書いて先生と読む。私はたった4年しか妹より長く生きていない。宇宙規模で考えると本当にたった一瞬だ。だけど先に生きる者として、姉は妹に物事を教える立場にある。

「家族」に関する考え方は私が色々考えて出したモノで、正しいのか、正しくないのかとかそういうことはわからない。でも、妹のことは間違ってると思う、だから「こういうことだと思う。だからあなたは間違ってると思う」って素直に私の考えを教えてあげればいい。

 

だけどそれができないのだ。なぜなら鬼ほど仲が悪いから。

 

妹のことを知らなさすぎる。表面的な情報は知っているが、どんな考えをする人で、どんな分野に関心があって、どれほど理解力があって、どんな接し方をすれば話を聞いてくれるのか。マジで全く分からない。というか、信用してない。親に叱られたとき、明らかに自分が悪くても筋の通ってない言い返しをしているのを外野から聞いてイラっとすることがあるので、もうコミュニケーションをとりたくないのだ。

 

 

もはや関係は修復不可能なのか。

 

まるでインドとパキスタンだ。

 

妹と過ごしたこの18年間、どうやって取り戻そう。